
文章用、検索用、要約用、翻訳用。便利そうなAIを追加するうちに、どこに原稿を入れたか分からなくなることがあります。出力を移す時間や確認する場所が増えれば、作業全体はかえって長くなります。
ツールの一覧から使い方を考える前に、今週やる一つの仕事を選んでみましょう。その仕事のどこが詰まっているかを見るほうが、必要な役割を決めやすくなります。
「商品紹介文を一本完成させる」で考える
ここでは、商品仕様書をもとに短い紹介文を作る仕事を例にします。これは手順を説明するための架空の仕事です。必要なのは、仕様を確かめ、下書きを作り、商品と一致するか確認して、公開用の原稿にすることです。
元資料は既存のフォルダー、下書きは普段の文章ツール、確認は商品担当者。この三つで回っているなら、最初に加えるAIは下書きを手伝う一つで足りるかもしれません。
工程ごとに、受け渡すものを決める
| 工程 | 担当 | 残すもの |
|---|---|---|
| 仕様の確認 | 人と元資料 | 確認済みの仕様一覧 |
| 下書き | 一つのAI | 原稿と不明点 |
| 照合 | 商品担当者 | 修正済み原稿 |
| 公開 | 既存の公開手順 | 承認された版 |
AIが書いた文章を、別のAIに確認させ、その回答をさらに別のAIへ渡すだけでは、元資料から離れた誤りに気づけないことがあります。モデルを増やすより、正しい仕様へ戻れる状態を保つほうが役立つ場面があります。
足りない機能を、一文で言えるか
「もっと高性能なものが欲しい」では、追加した後の判定ができません。「手元のツールでは、この形式の音声を読み込めない」「社内資料を外に出さず処理する必要がある」のように、満たせない条件を一つ書きます。
既存ツールの機能や、表計算ソフトの関数、検索、テンプレートで解決するなら、それを使います。AIが必要なのか、それとも入力の整理が必要なのかも分けて考えます。
速さは、回答が出るまでではなく完成まで測る
次の数字は比較方法を示すための仮の値で、製品の性能測定ではありません。
- 手順A:下書き5分、修正20分、受け渡し5分。完成まで30分。
- 手順B:下書き2分、修正25分、受け渡し8分。完成まで35分。
Bは生成が速くても、仕事の完了は遅くなっています。比較するときは同じ資料と完成条件を使い、修正時間、抜け漏れ、確認の手間も残します。一度だけの結果で決めず、似た仕事を数回扱って、差が続くかを見ます。
費用も月額料金だけではありません。操作を覚える時間、元資料の置き場所、出力を戻す作業が増えていないかを確認します。
試す前に、残す条件とやめる条件を書く
対象の仕事:商品紹介文の下書き
今の問題:仕様の抜けを確認する作業が多い
試す変更:下書きと一緒に参照した仕様一覧を出させる
残す条件:確認時間が減り、仕様の誤りが増えない
やめる条件:受け渡しが増える/元資料を追えない
守る条件:承認された資料だけを入力する
最終判断:公開前に商品担当者が原文と照合する
この例なら、別のサービスを契約する前に、今のAIへの依頼を変えて試せます。扱う情報が入力先の利用条件や社内の取り決めに合うかは、実際の資料を渡す前に確認してください。
使い分けは、すべてのAIに役割を与える作業ではありません。一つの仕事が終わるまでの道筋を短くし、足りない役割だけを加えることです。新しいツールを見つけたときも、その道筋のどこを改善するのかが言えれば、試す理由がはっきりします。
オリジナル記事、著者:AIの番人,転載の際には、出典を明記してください:https://nipponai.jp/article/ai%e3%83%84%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%82%92%e5%a2%97%e3%82%84%e3%81%97%e3%81%99%e3%81%8e%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%9a%e4%b8%80%e3%81%a4%e3%81%ae%e4%bb%95%e4%ba%8b%e3%81%a7%e4%bd%bf%e3%81%84%e5%88%86%e3%81%91/