6月17日、ソフトバンク株式会社は、米国のスタートアップPerplexity AIとの画期的な提携を発表しました。この提携は、Perplexityの先進的な生成AI検索エンジンをソフトバンクの広範なモバイルサービスと統合することで、日本における検索体験を変革することを目指しています。
新しい検索時代
Googleのような従来の検索エンジンは、クエリに対して多数のウェブページをリストアップしますが、PerplexityのAI検索エンジンは、情報をチャット形式で提示し、より会話的でユーザーフレンドリーな体験を提供します。この新しいアプローチは、単に回答を提供するだけでなく、より正確な結果を得るためにユーザーのクエリを洗練する手助けもします。
ソフトバンクユーザーへの限定オファー
6月19日から、ソフトバンクはモバイルサービス加入者に対し、通常月額2,950円(約18.70ドル)または年額29,500円のPerplexityのプレミアムプランを1年間無料で提供します。この限定オファーは、Perplexity Proの高度な機能、例えばChatGPT 4.0などの大規模言語モデル(LLM)へのアクセスや、情報検索とクエリの洗練のためのツールを体験する機会を提供します。
「これはAIサービスの先駆けとなる例です」と、ソフトバンクの副社長である寺尾弘幸氏は述べました。
Perplexity AIの台頭
2022年に元OpenAIエンジニアのAravind Srinivasによって設立されたPerplexity AIは、急速に成長し、評価額10億ドル以上のユニコーンスタートアップとなりました。Jeff BezosやNvidia Corp.などの業界の巨人からの支援を受け、PerplexityはAI分野の有力プレーヤーとしての地位を確立しています。
Perplexityのプラットフォームは、ユーザーがさまざまなLLMを選択できるようにし、提供された情報のソースを表示することで透明性と信頼性を確保します。このサービスはまた、関連する質問を提案し、ユーザーがより正確な回答を得るためにクエリを洗練する手助けもします。ユーザーベースを公表していないにもかかわらず、Perplexityは毎月2億3000万件以上の質問を受け取っており、その大部分は米国からのものです。しかし、ドイツのDeutsche Telekomや韓国のSK Telecomなどの主要な通信事業者との提携を通じて、グローバルに拡大しています。
検索市場の揺さぶり
PerplexityのようなAI検索エンジンの台頭は、Googleのような既存のプレーヤーに戦略の再考を促しています。日本では、「パプる」という言葉が「ググる」と並んで登場し、この新技術の影響力が増していることを示しています。
Aravind Srinivas氏は、AI検索は常に進化していると強調しています。Googleのような大企業は、その膨大なユーザーベースのために検索結果のエラーが致命的になるリスクを抱えていますが、Perplexityのようなスタートアップはより自由に革新することができます。Srinivas氏は、Perplexityが今後5年以内にGoogleを超える可能性があると自信を示しています。
課題と機会
AI検索エンジンの主な課題の一つは、広告を効果的に表示しながらユーザー体験を損なわないことです。Yahoo!検索エンジンを所有するソフトバンクは、Yahoo!とPerplexityのサービスを戦略的に区別する必要があります。「これはYahoo!の検索エンジンを見直す機会かもしれません」と寺尾氏は述べました。
ソフトバンクとPerplexity AIの協力は、日本における検索の風景を再定義する大きな一歩となります。革新的なAIソリューションとシームレスなユーザー体験を提供することで、この提携は業界の新しい基準を設定する可能性があります。
オリジナル記事、著者:AIの番人,転載の際には、出典を明記してください:https://nipponai.jp/article/softbank-perplexity-ai/