VORONと市販完成品の違い：なぜ自作するのか？

3Dプリンターを選ぶとき、多くの人が悩むのは「自作キットを組むべきか」「完成品を購入すべきか」という点です。その中でも、コアなファンに支持されているのがオープンソース設計のVORONシリーズ。一方、Amazonなどで簡単に買える市販完成品プリンターも手軽で魅力的です。では、両者にはどんな違いがあるのでしょうか？

1. コスト面の違い

市販の完成品3Dプリンターは、安いもので3〜5万円程度から入手可能です。一方で、VORONを自作する場合は部品を個別に調達するため、モデルによって10〜20万円以上かかることもあります。

ただし、コストの内訳を見ると面白いポイントがあります。

• 市販品は「筐体＋最低限の性能」でコストを抑えている

• VORONは「高品質パーツを自分で選定」するため、同価格帯でもパーツの質が段違い

結果として、初期投資は高くても長期的には高性能・高耐久の恩恵を受けられるのがVORONです。

2. 性能面の違い

性能においてVORONは圧倒的です。特に以下の点で市販完成品を大きく上回ります。

• 高速印刷：CoreXY構造による安定した高速動作

• 高精度：リニアレール・高剛性フレームによる美しい仕上がり

• 拡張性：ノズル径、ヒートベッドサイズ、制御基板など自由に選べる

一方、市販完成品は「組んですぐ使える手軽さ」が最大の魅力。ただし速度や安定性、拡張性ではVORONに及びません。

3. 可玩性（カスタマイズ性・学習要素）

VORONを選ぶ大きな理由の一つが可玩性です。

• 自分で組み立てることで構造を理解できる

• 改造・アップグレードが自由自在

• コミュニティによる膨大な知識・サポートが得られる

まるでプラモデル感覚で高性能マシンを仕上げるような体験が得られるのです。これに対して市販完成品は、基本的に「箱から出してそのまま使う」スタイル。手軽ですが、自分の手でいじる楽しさは制限されます。

まとめ：どちらを選ぶべきか？

• 手軽さ重視 → 市販完成品

• 高性能＆学習意欲重視 → VORON自作

3Dプリンターを「ただの道具」として使うなら市販完成品で十分です。しかし、性能を突き詰めたい・モノづくりをとことん楽しみたい人には、VORONの自作が圧倒的におすすめです。