世界の人工知能(AI)分野において、独自の道を進む一匹の“魚”が、急速に業界の先頭に躍り出ようとしています。東京を拠点とする生成AIのスタートアップ企業であるSakana AIは、設立からわずか1年ですが、その独自の技術路線により業界で注目を集めています。最近、Sakana AIは米国の半導体大手であるNVIDIA(英偉達)からの投資を受け、ユニコーン企業の仲間入りを果たし、評価額は10億ドルを超えました。
NVIDIAによる支援:強力な成長エンジン
Sakana AIは、アメリカのトップベンチャーキャピタル会社を含む大規模な投資ラウンドを通じて、約200億円(1億3900万ドル)を調達したことを発表しました。NVIDIAの具体的な投資額は公開されていませんが、主要株主の一つになることが期待されています。これにより、Sakana AIはNVIDIAの最新GPUを優先的に利用できるようになります。AIの開発と運用に不可欠なGPU市場で80%のシェアを占めるNVIDIAの技術支援により、Sakana AIは急速に成長するAI市場で有利なポジションを確立しました。
日本のAI技術最前線を進む
Sakana AIの名前は、日本語で「魚」を意味し、ロゴに描かれた赤い魚は、AI開発において独自の技術路線を象徴しています。2023年7月に設立されたSakana AIは、元々米国のGoogleで働いていたAI研究者たちによって創立され、テキストや画像を生成する基盤AIモデルの開発に注力しています。Sakana AIの強みは、既存のモデルを組み合わせて、迅速かつ低コストで高性能なAIモデルを生成できる点にあります。
その一例が「Evo-浮世絵」プロジェクトです。このプロジェクトでは、AIを訓練し、浮世絵スタイルの画像を生成することに成功しました。このように、Sakana AIは文化と先端技術を融合させる独自のアプローチで、その可能性を示しています。
AI開発の岐路に立つ
現在、世界のAI開発競争は激化しており、GoogleやOpenAIといった資金力のある企業がリードしています。しかし、電力消費の急増や、業界への投資過熱の懸念が高まる中で、AI開発分野はこれまでにない挑戦に直面しています。そんな中、Sakana AIは、独自の技術と革新的なアプローチで、日本だけでなく世界のAI市場でも徐々に存在感を高めています。
NVIDIAのCEO、ジェンセン・フアン氏も、Sakana AIに大きな期待を寄せており、Sakana AIがNVIDIAのプラットフォームを活用して先端の基盤モデルを開発し、日本におけるAIの普及を促進していると述べています。
NVIDIAがAI分野での投資を拡大する中、Sakana AIの急成長は単なる一企業の成功を超えて、日本のAI技術の新たな飛躍を象徴しています。この「魚」がどこまで泳いでいくのか、今後の展開に注目が集まっています。
オリジナル記事、著者:AIの番人,転載の際には、出典を明記してください:https://nipponai.jp/article/sakana-ai-nvidia/